百歳にもなると、人間は愛や友情に頼らずにすむ。さまざまな災厄や不本意な死に怯えることもない。芸術や、哲学や、数学のいずれかに精進したり、独りでチェスの勝負を楽しんだりする。その気になったら自殺する。人間が己れの生のあるじならば、死についても同じである。
「疲れた男のユートピア」(J.L.ボルヘス著/鼓直訳)より

2017年11月19日日曜日

先生根性

昨日、午後は R 大確率論・数ファ系研究室の卒業生と教員の同窓会的な研究集会と、その同窓会組織の会合に付随した講演会。この講演会では、私が卒研を見た T 本君が「人工知能と金融のお話」の題で話すというので、一応出席しないわけには行かないかな、と雨の中出かけた。

やはり元教員としては、昔、学生として接していた彼等が今活躍している様子をうかがうと、なかなかに感慨深いものがある。私自身は、私が若い頃には若い頃を十二分に堪能したので、既に若者にはあまり興味がないのだが(これはヴィスコンティ監督の名言だったっけ)、それでも、胸が温かくなるような気持ちがするのは、先生根性が抜け切らないのだろう。

卒研の教え子の講演を聞いたあと、懇親会は遠慮して即帰宅。卒研でなにをやったか私は忘れていたが、講演で「大偏差原理の本を読んだ」と聞いて、そうだそうだ、と思い出したことであった。Stroock だったかな?