百歳にもなると、人間は愛や友情に頼らずにすむ。さまざまな災厄や不本意な死に怯えることもない。芸術や、哲学や、数学のいずれかに精進したり、独りでチェスの勝負を楽しんだりする。その気になったら自殺する。人間が己れの生のあるじならば、死についても同じである。
「疲れた男のユートピア」(J.L.ボルヘス著/鼓直訳)より

2017年7月12日水曜日

十の定理

今日 12 日発売の「数学セミナー」8 月号(日本評論社)の特集「分野を語る 10 の定理」で確率と統計のパートを担当した(「確率と統計を語る 10 の定理」)。

「確率・統計」とまとめて言われても、確率論も統計学もそれぞれに広大な分野であり、しかも私は確率論の専門家ではあっても統計学をほとんど知らないので、企画を聞いて「こりゃまいったな」と思ったのだが、考えれば考えるほどアイデアが発散するので、ほとんど勢いにまかせて一筆書で書いた。

諸先生方におきましては、そんなのは「確率・統計」を代表する 10 の定理ではない、私ならこう選ぶだろう等々、ご意見が色々と浮かぶことではありましょうが、ご興味のある方は、課題の難しさを想像しながら、おおどかな気持ちで、ご笑覧下さいませ。